「私は耳が聞こえません」
幼稚園の頃は口話中心のろう学校に通っていました。でも、小学4年からは普通校へ。
当時はまだ障がいへの理解が今ほどなくて、「なんで聞こえないの?」と好奇心やからかいの目で見られることが多かった。みんなの笑い声の理由が分からないときは、自分だけ取り残されているようで苦しかったです。
そんなある日、みんなの前で自分のことを話す機会がありました。胸がドキドキして手も震えていたけれど、勇気を出して言いました。
「私は耳が聞こえません。」
一瞬、教室が静かになりました。でも、そのあと「手話を覚えたい」と言ってくれる友だちが現れて。少しずつ輪の中に入れるようになったんです。
“伝えることは怖い。でも、伝えたからこそ分かってもらえた。”
あの経験が、今の私の大きな支えになっています。