Buddy's(Buddy購入者)の挑戦

糸が、笑顔を連れてくる。

編み物講師・デザイナー 山本洋子

「紙袋いっぱいに毛糸を詰めて、子どもみたいな笑顔で帰ってくるおばあちゃんが、忘れられなかったんです。」
私が編み物に魅せられたのは、まだ4歳か5歳の頃。

きっかけは、編み物が大好きだった母方の祖母でした。布団カバーやこたつ掛けをかぎ針で編んでいた祖母が、毛糸屋から帰ってくるときのあの表情が、今でも鮮明に思い出されます。
「本当に、子どもみたいな顔で笑ってるんですよ。」

私はまだ何も編めなかったけれど、「編み物って、こんなに人を幸せにするんだ」と思ったその記憶が、私の芯にずっと残っているんです。

一本の糸が、形になる。

私が小学5年生のとき、手芸クラブで初めて作品を作りました。そのときの「できた!」という感覚は、今も忘れられません。
家では10歳と7歳上の姉が、彼氏にセーターを編むのに夢中で(笑)、本を参考にしながらも自分なりにデザインしていて。

その姿を見て、「ただ編むだけじゃなくて、自分で形を作れるんだ」と思って、どんどん興味が深まっていきました。
一本の糸が、面になって、立体になる。

見ているだけでワクワクして、「編み物って、おもしろい!」と素直に思ったんです。

本格的に学ぼうと思ったのは、24歳の頃。

編み物の資格を取ろうと思って教室に通い始めたんです。
でも、そこで出会った先生が、まさかの昭和を代表するトップデザイナーで。
本に載っている通りに編むんじゃなくて、「デザインするのが当たり前」という空気。

そんな環境にいたら、気づけば私も自然とオリジナルを編むようになっていました。
自分の服も作るようになって、それを着ていると「素敵ね」って声をかけてもらえるようになって、気づいたら、デザインの楽しさに夢中になっていたんです。

主婦として、母として。でも「好き」は手放さなかった

結婚・出産で一度は活動をお休みしましたが、3人目の子を出産したあとの2012年ごろ、「もう一度やってみよう」と思い立って再始動。
このときに取得したのが、手芸教室で教えるための最高ランク「師範資格」。

資格はなくても教えられるんですけど、「師範」って言われると、やっぱり信頼されやすい。
それに、生徒さんに資格を出せる立場になれるのも大きかったです。
師範資格を取ってからは、地元の手芸店で教えたり、百貨店の毛糸売場に立ったり、デザイナーの下請けをしたり。

店頭で糸を販売するだけじゃなくて、その糸でレッスンもしたりと、「作る」と「届ける」両方に関わる経験ができました。
子育てと両立しながらの活動だったけど、「無理せず、でも自分の“好き”は大事にする」っていう姿勢を忘れずに続けてきました。

ブランドという“表現の場”

「自分の作品を発表する場所がほしい」――
そんな思いで、2014年ごろから自作の服を販売しはじめました。
正直、最初は全然売れませんでした(笑)。

時間も手間もかかってるから価格も上がるし、簡単には伝わらない。
でも、それでも「この価値がわかる人に届けばいい」と信じて続けてきました。

私のブランドテーマは、「ニチジョウニイロドリヲ(日常に彩りを)」。

それこそBuddyの香水と同じように、まとうことで自分らしく背筋が伸びる。
そんな存在であれたらと思って、糸を紡いでいます。

今、もう一度 編み物が広がるチャンスがきてる

最近、また編み物が注目されていて驚いています。

きっかけは、韓国のアイドルがSNSに載せた編みアイテム。
そこから、日本の若い子たちにも「かわいい!」って火がついて。
でも、実際にやってみると難しくて、辞めちゃう人も多いんですよね。
だからこそ、私は“教える側”として、その最初のハードルを下げてあげたい。

若い子が編み物の入り口でつまずかないように、背中を押すのが私の役割だと思ってます。

消耗される服じゃなくて、自分を彩る一着を

編み物って、“趣味”とか“年配の人のもの”って思われがちだけど、私は違うと思っていて。

手芸という分野に分類されますが、私はファッションの表現方法のひとつとして編み物を捉え、取り組んでいます。

一点もので、時間をかけて、丁寧に作られた服。
ファストファッションがあふれる時代だからこそ、手編みの“本物”の良さが際立つ。
消耗品じゃなくて、自分を彩るもの。
その人の「似合う」をちゃんと引き出せるものを作りたいんです。

「好きなことは、絶対に手放すな」

もし、これを読んでいる人の中に「挑戦しようか迷っている」方がいたら、
年齢なんて関係ありません。

何歳でも、やりたいと思った瞬間から、やっていいんです。
私は、子どもたちにもずっと伝えてきました。
「好きなことは、手放すな」って。
別に、それを仕事にしなくてもいい。
でも、“自分の核になるもの”って、きっと人生の支えになるから。
私にとっての編み物が、そうであったように。

挑戦に、
    香りの相棒を。




なりたい自分になるために、
挑戦をどれだけ繰り返してきたか?

うまくいかない日も、前に進めた日も、
その一歩一歩が未来をつくる。

Buddyの香りは、
「次の一歩」を踏み出す勇気を与えてくれる相棒です。