LAST YEAR 元祖プロダクトストーリー
新年1月1日の朝6時。
僕の高校3年になる年が始まった。
外に出ると、昨日降った雪が道にうっすらと積もっていて、息を吐くたび白くなる。
そんな朝。
僕はいつも通りバットを持って、庭で素振りを始めた。
昨日からじいちゃん、ばあちゃん家に集まっている。
バットを振るたび、みんなで囲んで食べたすき焼きが、まだお腹の中に感じる。
そんな気怠さと去年の想い出を感じながらも、同時に胸をキリキリと締め付ける覚悟を感じていた。
今年は最後の甲子園の年。
去年は、レギュラーとして7番ショートで出場した。
結果は、県大会ベスト16。
弱くはないけど、強くもない。そんな中堅校。
その高校でエースでもなければ、キャプテンでもない。
・・・
僕はプロ野球選手にはなれないだろう。
だから今年が、野球と向き合う人生最後の年。
最後くらい「これ以上はできない」って魂を込めた毎日を過ごしたい。
別に、プロ選手を諦められないわけじゃない。
ただ、後悔したくないだけだ。
大人になって「もっとやれたな」って後悔するより、「頑張ってたな」って感じていたい。
そんな想いを胸に、無我夢中で素振りをしていたら、おなかに感じていたすき焼きがなくなってきた。
身体もあったまってきたから、次は走ろう。
今年がラストイヤー。悔いなく過ごそう。